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働き方改革って何のためにやるのですか

近時、「働き方改革」という言葉を目にすることが多くなりましたが、その意味を理解しているケースは思いの外少ないといえます。

解説

そもそも、働き方改革は、「改革」ですから、何か「改革すべき対象」があるのです。
それはなんでしょうか?

端的に言えば、それは、「昭和的働き方(日本型雇用)」を改革するということです。昭和的働き方の特徴は、
「家庭のことは奥さんに任せて男性は仕事中心の人生を送る」
というロールモデルに代表される長時間労働、全国転勤、職種無限定のような昭和的働き方のことです(その他、企業内組合、終身雇用、年功序列という特徴もあります)。
昭和的な働き方における労働者像は、上記のような男性中心の同質的(同じような属性の)労働者像でした。
とすれば、労働者をマネジメントする側の人事としても、同質性を前提とした一律のマネジメント(例えば、長時間労働に耐えない人は採用しない)で良かったのです。
しかし、このような昭和的働き方は限界を迎えています。長時間労働による過労死・過労自殺が世間の関心事となり、労働力人口も今後減少することは確実だからです。
さらに言えば、「働く」こと自体に対する価値観が多様化している現代においては、「一律のマネジメント」では対応できません。

つまり、様々な価値観や「制約」(育児・介護・病気・障害・外国人・高年齢者等)を抱えている人の個々の事情に合わせて、各人の戦力を最大化するための多様なマネジメントが必要となるのです。
これが政府の掲げる一億総活躍の理念です。
そして、多様なマネジメントを通じて実施される「従業員価値を最大化するための施策」こそが働き方改革の本質ということになります。

働き方改革といえば、長時間労働削減・副業問題・育児介護問題など、個別の制度が問題になることが多いのですが、これらは働き方改革の一側面に過ぎず、「何のためにやっているのか」という働き方改革の本質を忘れてはなりません。

(倉重)

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