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テレワーク中に事業場外みなし労働時間制を適用する場合、「労働時間を算定し難いとき」といえるにはどのようなことが必要ですか?

行政解釈では、①情報通信機器を通じた使用者の指示に即応する義務がないこと、②随時使用者の具体的指示に基づいて業務を行っていないことが必要だとされています。

解説

テレワークガイドライン15では、事業場外みなし労働時間制の適用について、使用者の具体的な指揮監督が及ばなければ、「労働時間を算定し難いとき」に当たるとの従前からの行政解釈を踏まえた上で、テレワークで具体的指揮監督が及んでいないというための要件として、次の2点を挙げています。

①情報通信機器を通じた使用者の指示に即応する義務がない状態であること
②随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと

このうち、①は使用者が労働者に対して情報通信機器を用いて随時具体的指示を行うことが可能な状態にはなく、かつ使用者からの具体的な指示に備えて待機しつつ実作業を行っている状態又は手待ち状態で待機している状態にもないことを指すとされています。そして、これに当たる具体例としては、「回線が接続されているだけで、労働者が自由に情報通信機器異から離れることや通信可能な状態を切断することが認められている場合」、「会社支給の携帯電話等を所持していても、労働者の即応の義務がないことが明らかである場合」が挙げられています。
また②の「具体的な指示」には当該業務の目的、目標、期限等の基本的事項を指示することや、これら基本的事項について所要の変更の指示をすることは含まれないとされています。

以上は、要するに、チャット、電話等で随時具体的指示を受け、それに即対応して業務をしたり、即対応できるように備えて作業や待機をすることが義務付けられていないことが必要だということです。
テレワークに事業場外みなし労働時間制が適用されるかについても、Q12で述べたとおり、使用者が、業務中のほか、その前後を通じて、事業場外での勤務状況を具体的に把握可能といえるだけの関与をしているかが問題になりますが、上記行政解釈も述べるとおり、特に、PCやスマートフォンその他の通信機器や通信手段で、上司からの随時の具体的指示を受けて業務をするという実態がないように、留意すべきです。

(荒川)

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